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2005年09月25日

小学生の対教師暴力増加?

文部科学省の調査によると、公立小学生が04年度に学校内で起こした暴力行為は1890件で前年度比で18%増になっていることがわかったそうです。

何をもって「暴力行為」としているのかな?と、まず疑問に思いました。

少なくとも、「これは暴力である」と決めているのは学校であることに注意しなければなりません。つまり、こういった調査は学校の子どもたちの見方や関係性によって変わるものだということです。

さて、こういった調査結果が出るたびに思うのですが、いったいこの調査はどこでやっているのでしょうね。少なくとも私の教師人生の中でこういった調査に関わった事は一度もありません。

また、件数は数字で出るわけですが、何をもって「一件」と数えるのかもよくわかりません。

たとえば、A君が暴れて机を投げたとします。教師が止めて、10分後に今度はイスを蹴飛ばしたとします。これは一件なの?それとも二件なの?

B君が興奮して教師の胸ぐらをつかんだけれど、落ち着かせたらすぐにあやまった…、これは「一件」として報告するの?ということです。

もし私が調査に答える側だとしたら悩むと思います。

ということで、私は子どもたちの状況をこういった数字で「増えた・減った」と騒ぐのはナンセンスだと思っています。

ただ、注目しなければならない項目はあると思っています。

それは、「対教師暴力」といった調査項目について反応した学校が増えているということです。

実際に「件数」が増えているのかどうかは上記の理由により確かではありません。また、何をもって「暴力」であると決めて報告したのかもよくわかりません。

しかし少なくともこの調査項目に反応した人が小学校に多かったということに注目しています。つまり、この学校と子どもたちとの「関係性」が気になるのです。

また、校内暴力で警察に補導された小学生の数は04年度が24人。02年度の2人、03年度の11人から急ピッチで伸びていたということです。

これは、警察に通報した数が増えたということだと思うのですが、これは子どもの暴力が激しくなってきたからなのか、それとも学校がすぐに警察に通報するようになったのか、あるいは両方なのか…、まさか「胸ぐらをつかまれた」だけで警察に通報するとは思えませんが……。

どういったケースで学校は警察に通報しているのか、また、そのことについてその学校のスタンスをどのように決めて、保護者に理解を得ているのかも気になるところです。

今の子どもたちの指導は確かに以前に比べて困難が多いです。これは私も現場にいますから、痛いほどよくわかります。しかし、誤解を恐れずに書くと、現場はもう少し踏ん張っても(警察以外の他の機関に相談し協同して指導することも含めて)いいのではないかと思っています。

wrote by しおちゃんマン

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トラックバック時刻: 2005年09月25日 11:09

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トラックバック時刻: 2005年10月01日 23:45

コメント

TBどうも。
こういう調査データというのは、予め新聞社に流されていまして、新聞社は一定の取材をして、その後報道解禁日に合わせて各紙一斉に流すことになっています。
だから、このデータで文科省は何を言いたかったかを読むのが私の場合は、セオリーとなっています。
ここのコメントは文科省の期待通りではなくても、全体としては期待通りの効果を発揮することが多い。あるいは少なくともメジャーな報道機関はそういう内容の報道になるげいのうじんをかっていると理解しています。

そして、ほんとうはどうなんでしょうね。

投稿者 KOYASU : 2005年09月25日 08:57

トラックバックしようと思ったのですができませんでしたので(汗、コメントにさせてもらいます。
小学校の対教師暴力が30数%増といっても、増加件数は83件なんですね。全国で83件増えただけ、83件も増えた、受け止め方はいろいろですが、やはり新聞の報道の仕方に問題があります。

投稿者 カラ : 2005年09月25日 12:24

対教師暴力を減らすには、教師がもっと子供のことをわかってやる必要があります。そうしたら、子供も先生のことをよくわかってもらえると思います。また、教師が厳しかったら子供と教師の間に壁ができ、わかってあげられなかったり、わかってもらえなかったりします。このようなことが起こりますと、対教師暴力が発生しやすくなると思います。なので、教師は優しくなるべきです。

投稿者 tttttttttt16 : 2005年09月25日 13:55

はじめまして
う~~ん・・・
難しいですね・・・
子どもなんだからいろんな間違いを起こしますし、それが暴力にも発展する事もあるでしょう。
間違いを間違いと教えてから、原因を探すのもひとつの手かもしれません・・・
ちなみに、うちのクラスは2年生なので
まだそういう兆しすら見えません・・・
去年は4年生でしたが、反抗を暴力で訴えてくる勇気のあるものはいませんでした(笑)
いれば、みんなで考えるいい教材になったんですがね・・

投稿者 DAIGO : 2005年09月25日 17:32

文部科学省のHPに報道資料になぜ載っていないのでしょうか。
情報の明細が全く分りません。

投稿者 のびぃ太 : 2005年09月25日 18:44

服部幸應氏の講演録で、「糖分の過剰摂取をすると、一時的に血糖値が上昇し、その急降下時にアドレナリンが出て、非常にキレやすくなる」と読んだことがあります。また、朝食抜きもキレやすい(東京都教育研究所)そうです。まずは正しい生活習慣からではないでしょうか。

投稿者 丹澤 三郎 : 2005年09月25日 18:58

こんにちは、THE義務教育のワタナベです。
調査方法やマスメディアの取り上げられ方には問題もあるのでしょうが、これがクローズアップされることで、小学校での暴力に関して、みなで考える機会になればいいですね。
後ほどTBさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

投稿者 THE義務教育 : 2005年09月26日 15:10

> KOYASUさん
文科省のメッセージを注意深く読み拓いていかなければなりませんね。ただまだこれだけではなかなか読み取れません。最近ね文科省そのものも揺れているような感じがします。

> カラさん
確かに、すごく多いような印象を与えるような記事の書き方ですね。そこに文科省のねらいが隠されているのかもしれませんね。

>tttttttttt16さん
確かに教師がまずやらなければいけないことは、子どもの話を聞くことだと思います。そして聞くだけでなくて、そこから子どもたちのメッセージを読み取ることですね。ありがとうございました。

> DAIGOさん
反抗的に暴力を振るう子は、私のまわりにも他のクラスにもみあたりません。ただ、軽度発達障害と診断された子が暴れて、それが暴力につながってしまうことはあるようです。そういったこともこの調査の「暴力件数」に入っているのでしょうか。そこがはっきりしませんね。

>のびぃ太さん
私も新聞紙上からの情報のみです。どこに公開されているんでしょうね。

>丹澤 三郎さん
子どもたちの体の視点からキレる問題を考えるのは大切なことですね。まだまだこういった視点で考えていこうとすることが少ないようなので、大切なことだと思いました。ありがとうございました。

> THE義務教育さん
はい、暴力について考えていくことは大切なことですね。特にその背景に何があるのか…学校には問題がないのか、振り返りつつ考えていきたいと思っています。

投稿者 しおちゃんマン : 2005年09月26日 21:26

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