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2006年01月22日

懲戒処分の指針

いきなり「懲戒処分の指針」という文書が千葉県教育委員会から出ました。

2月1日から施行されるそうです。

まず、今までこのような指針が成文化されていなかったことについて驚きました。

ということは、今まではその都度処分を決めていたということなのでしょうか?

では、なぜ今年になって急に成文化されて県内全職員に配布されたのでしょうか。

それは、県内の職員の不祥事が後を絶たないから……、ということらしいです。

ただ、気になるのが以下の二つの項目です。

(5)職場内秩序びん乱
 イ 上司等に対する暴言により、職場の秩序を乱した職員は、減給又は戒告とする。

[つっこみ_1]
上司って誰のことを指すのでしょうか。

学校現場は、校務分掌によって職員の仕事が配置されており、複数の分掌を一人が兼ねていることが多いのです。

ということで、ある分掌では主任だけど、別の分掌では主任ではない……、といったことがたくさんあります。

学年主任であっても、別の分掌では、同じ学年のメンバーがその分掌の主任になっていることもあります。

ということで、学校現場には「上司」という言葉はあまり使わないし、少なくとも私のまわりではなじみのない言葉です。

こう考えると「上司」とは、現実的には「管理職(校長・教頭)」のことを指すと考えてもいいようです。

つまり、管理職には「暴言」をはいてはいけない…ということでしょうね。

[つっこみ_2]
「暴言」って、どこまでを指すのでしょうか?

どうやら、正当な意見を言っても、上司?がそれを「暴言」と受け取れば、処分の対象にできるということらしいです。

恐ろしい時代になってきました。

[つっこみ_3]
逆のパターン…、

つまり、上司?が職員に暴言をはいたときの記述が、なぜかありません。

けっこう、こっちのケースの方が多いのですが……。

はい、こうなってくると、ますます職員会議で意見が言いづらくなってきますね。

上からの指示を、何も考えずに無批判に受け入れるだけの教師が、今後ますます増えるでしょう。

(8)秘密漏えい
 職務上知ることのできた秘密を漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、免職又は、停職とする。

確かにその通りであり、まっとうな項目だとは思うのですが、この解釈が難しい…というか、いくらでも拡大解釈できるんですね。

この条項を利用して、こんなブログなんか、簡単につぶせてしまえるわけです。

当然、処分決定までには、事実確認や話し合いが持たれるとは思うのですが、こうやって懲戒処分の指針が成文化され、県内全職員に配布されることにより、多くの教師は自主規制していくことになると思います。

もしかしたら、そういったことをねらったのかもしれません。

さて、今年のお正月のメッセージで、私は以下のように書きました。

 さて、今年(2006年)はどのような年になるのでしょうか。
 まず、「学校の説明責任」という理由で、教師個人の意見表明権が規制されていくことが予想されます。
 いやこれは「規制」を超えて、権利の剥奪…、弾圧に近い形で進められる恐れもあります。

そうならないように祈るばかりです。

wrote by しおちゃんマン

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コメント

わたしもここで条項拝見してまず「上から下への暴言は?」と思いました。
「秩序」とか「重大な支障」とか、文が曖昧ですね。会社ではもっとはっきりしてました。
情報がレベルで四段階に分けられていて、社外に漏らしたらいけない情報から社内でも絶対に漏らしていけない(人事情報など)情報までありました。
秩序をみだす、なんて言い方もなかったです。業務に支障をきたす言動、だったと思います。上下関係なし。
勤めていたのは昔なので曖昧ですが…

投稿者 わに庭 : 2006年01月22日 01:32

とても息苦しいものが学校現場にあふれてきているように感じています。

教員の不祥事をなくするためにするべきことは懲戒処分を厳しくすることでなく、もっと先生方が伸び伸びと笑顔で子どもたちに接することができる職場環境を整えることだと私は思っています。

クラスの生徒が悪いことをしたからといって罰だけを与える方法でその生徒がよりよい成長をしていくでしょうか?

信頼、共感、ともに仲間で作り上げていく姿勢を教育委員会みずからが否定しているような気がしてなりません。

上司の暴言はどうするの?
教育委員会の施策で明らかにミスと思われるものをどう改善していくの?

どんどん先生方の教師としての誇りと生徒に対する熱い情熱を失わせる。そんな気がしてなりません。

子どもたちのために、そして私たち自身も元気に笑顔で過ごせる学校にするためにも微力ですが頑張っていきたいと思います。

投稿者 よしべえ主夫 : 2006年01月22日 06:21

上司等の等は 何をさしていると説明されているのでしょうか。
これに部下も入る?

投稿者 蔵満逸司 : 2006年01月22日 09:21

なんか。。。、しおちゃんマンの予言どおりになってきたなあ。どうして先が読めるんですか?こういうのは全国的に広がっていくのかなあ。いやーな気持ちです。

投稿者 カッシー05 : 2006年01月22日 09:43

脅しのような印象を受けます。

子どもたちを、脅しや罰で動かす教師を養成しているようですよね。

ひとりひとりを尊重し、弱い小さきものでも意見を自由に言える雰囲気が学校にあふれて欲しいです。

教師をそのように管理している教育委員会が、生徒をどのように指導しようとしているのでしょう?

暴力、暴言がいけないといって、それを権力で抑えるのは、ある意味暴力ですよね。その前に威圧している・・。暴言がいけないのは当たり前ですが、上司のほうが権力をもって部下を威圧するほうが問題です。(セクハラだって法律化されてるのに)

このBLOGをつぶしたら、民主主義じゃないですよ!

投稿者 まま : 2006年01月22日 09:45

暴言吐きまくりの卯月です。ーー;
ついこの前も教頭に向かって「管理職が指揮を執らなきゃいけない場面なのに、あなたたちは何も考えてないでしょう?ちゃんとビジョンを示してくださいや!」と怒鳴ってしまいました。
これからは、思いをストレートに言うのはやめて、暴言にならないよう上手に言わなきゃダメだなんだあと思いました。(意見を言うのをやめる気はないので。)

投稿者 卯月 : 2006年01月22日 10:04

>わに庭さん
あいまいにすることで、いくらでも拡大解釈できるようにした、と見ました。う~ん、ますます窮屈になるなあ。

> よしべえ主夫 さん
結局は子どもたちに返っていくんですよね。そのことをそろそろ気づいてほしいと思っています。

>蔵満逸司さん
私も「等」が気になっていましたが、どうやらこれは、「上司にあたいする人」「目上の人」という意味らしいです。残念ながら、部下という意味ではないようです。

>カッシー05 さん
今の政治状況(外交含む)や経済の様子を見ていくと、だいたい国が考えていることがわかりますよ。あとは、いろいろな人の話を聞いたり、いろいろな情報を吸収することが大切だと考えています。

>ままさん
ブログをやめなさいと直接言ってこなくて、おそらく自主的にやめるように仕向けていくのだと思います。つまり自主規制させていくという方法ですね。残念ながらすでにやめてしまった仲間が二人います。

>卯月さん
ああ、それは管理職からすると明らかに暴言ですね。(笑)
私も若いときにはそれ以上のことを言ったりやったりしていました。
その時の反省は、他の仲間がついてこなくなってしまったということです。
今回は、自分にも返ってくることになってしまったわけで……、困った時代になってしまいました。

投稿者 しおちゃんマン : 2006年01月22日 12:28

>ああ、それは管理職からすると明らかに暴言ですね。(笑)

やっぱりそうでしょうか?ですよね~。(笑)

>仲間がついてこなくなってしまった…

そうなんですよね。文句言いのわたしは既に浮きまくっていますから。

関連する記事をわたしも書きましたので、トラバさせてください。よろしくお願いいたします。

投稿者 卯月 : 2006年01月22日 17:44

 意見を暴言にされそうなら、ぜひ保護者に話を広げてほしいです。「学校での様子と家庭へのお願い」だけの保護者会では意味がないです。保護者は教育委員会に訴える力がありますからね!(笑)
 …どうも、先生方は学校の問題を内部で解決しようとする傾向があるようで。ちゃんと言ってくれれば、力になる保護者はたくさんいると思います。困るのは自分の子供の事ですもの。。。

投稿者 Y : 2006年01月22日 20:10

>卯月さん
こちらからもTB送ったのですが、なぜかエラーになってしまいました。本来は多くの仲間の支持を得ながら発言しなければならないのですが、なかなかそれも難しいですね。

>Yさん
はい、保護者のみなさんの支持をえることも大切ですね。ぜひこういったことはオープンにしながら、いい方向に向かっていきたいと思っています。

投稿者 しおちゃんマン : 2006年01月23日 04:25

しおちゃんマンさん、こちらからもトラバがうまくいきませんでした。何故???

同じ学校にはいませんが、県内他の学校にはたくさんの仲間がいます。あちこちでみんな孤軍奮闘しているのがわたしの元気の素なんですよね。そういった仲間との繋がりを大切にしたいと思っています。

>Yさん
保護者の方とじっくりお話しをすると、好意的にとらえていただけることがほとんどで、わたしも昨年保護者の方たちにずいぶんと助けていただきました。
今の学校はそういった機会もあまりないので、それがネックだなあと思います。これからは是非、保護者の方とお話しできる機会を作っていきたいと改めて思いました。

投稿者 卯月 : 2006年01月23日 06:03

> 卯月 さん
TBには相性があるのかなあ……。
こういった時代であるからこそ、教師同士や保護者のみなさんとのつながりを作っていきたいですね。今後ともよろしくお願いいたします。

投稿者 しおちゃんマン : 2006年01月23日 06:47

> 卯月 さん
 そういう管理職は争うよりも、うまくおだてて使ってしまった方がいいかも。(笑)
 私がうちの小5次男のクラス今一番気になっているのが、子供たちの宿題忘れです。小5くらいだと「子供のやる気」だけに期待するのは無理だと思うのですが、担任は子供たちにはガツンと言うのですが、保護者には殆ど何も言ってこないんです。
 12月にその惨状(?)を知らされた保護者はびっくりしていたみたいです。せめて最初の保護者会で「テレビやゲームを合わせて1日3時間以上も見せているご家庭のお子さんの学力は保証できません。宿題は絶対にさせてください」(これは某先生の受け売りです…笑)くらい言ってもいいと思います。。。

投稿者 Y : 2006年01月23日 12:27

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