今度は「留年制」
河村文科大臣のインタビュー記事によると、、「義務教育段階でも落第とか原級留め置き(留年)とか、基礎基本が身についてから次に進むという考え方を研究しなければならない」と述べたそうです。おいおい…、今度は「留年制」か?っていう感じです。
最近の教育界は、「まさか」と思うことがどんどん実現されてしまいますから、今度の発言もあながち個人的な見解ではなくて、かなりの準備が進んでいると考えたほうがいいと思います。
文科省は「脅せば」子どもたちが勉強ができるようになると思っているのでしょうか?また、留年すれば学力が身につくと思っているのでしょうか?いや、本気ですべての子どもたちに学力を身につけようとしているのでしょうか。その覚悟はあるのでしょうか。たぶんないのでしょう。
なぜなら、今回の留年制を語りつつ、一方で小中一体型の学校を作りながら、できる子にはどんどん次に進むことができるコースを用意しています。つまり、一部のエリート以外は切り捨てますよっていうことなんだと思います。そしてその責任は、自分でとりましょう…と。
留年制が実現すると、指導教員を選択させろという声があがってくるでしょうね。そしてそれで教師がどんどん違ったところで評価されていく……。
このように考えていくと、学校選択制から始まり、小中一体型学校、教師の人事考課制度、教員免許の更新制度…といったことがすべてリンクしていたことがわかってきます。つまり、文科省が今後どのような学校像を描いているのかが少しずつ見えてきたと思っています。
そしてそれは残念ながら日本の多くの子どもたちにとってけっしていい方向には進んでいないような気がします。親や子どもたちはますます追い詰められ、保護者と学校との関係もどんどん悪くなっていくでしょう。
ただ、実現できればの話ですが。
wrote by しおちゃんマン
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://shiozaki.info/mt/mt06-tb.cgi/300
このリストは、次のエントリーを参照しています: 今度は「留年制」:
» 文科省案ー留年について from KOYASU am BLOG
河村文科大臣のインタビュー記事が朝日新聞2004年9月12日朝刊にある。
http//www.asahi.com/politics/update/0912/... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2004年09月13日 08:03
» 河村文科相、「留年制」に言及。 from 一教員ののこしがき
12日付けの新聞より。
ついに出てきましたねえ。
やるやるとは思っていたのですが
「学力がついていない子どもに学力をつける。」との名目で留年制の導入も視... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2004年09月15日 04:38
» ■「生きる力」によせて from GUIな時代のぱそ事情
時にはは真面目に。 昨年の暮れ,ある誌のコラムに書かなくてはならなかった原稿から・・職業色の強い,しかも人の生き死にに直面しているときの文章で感情論にも近い・・... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2004年09月15日 06:41
コメント
私は義務教育をどう考えてよいか分かりません。勉強ができる子とできない子を別に扱うことが果たして差別なのどうか。力がないままほっとくより留年して基礎学力を身に付けさせたいと思っている親です。長い目で見て子共のためになると考えます。飲み込みの良い子供と悪い子供がいて当然だと思います。
勉強の速度も学校に通う年数も違ってもいいじゃないと思てます。基礎力が身に付いていない子供を進級させた場合、どのような方策をお考えですか。今までの教育はどんどん置いていかれるのが現状だと思います。何の手当もされないまま。公立教育は民間のような利益追求がなく、先生方は手ぬるい人が多いような気がします。何もしてれくれない人が多いですから。競争原理はだめですか。先生方はどのような意識をお持ちなのでしょうか。
投稿者 吟水 : 2004年09月16日 01:32
コメントありがとうございます。
こうした論議を大切にしていきたいですね。
コメントに関して言えば、留年することが学力保障につながるのかどうかを慎重に検討しなければならないと考えています。
習熟度別クラス編成が、思うような効果をあげることができていないことと合わせて。
投稿者 しおちゃんマン : 2004年09月16日 05:59
サイン・インを確認しました、 さん。コメントしてください。 (サイン・アウト)
(いままで、ここでコメントしたとがないときは、コメントを表示する前にこのウェブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)