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今度は「留年制」
河村文科大臣のインタビュー記事によると、、「義務教育段階でも落第とか原級留め置き(留年)とか、基礎基本が身についてから次に進むという考え方を研究しなければならない」と述べたそうです。おいおい…、今度は「留年制」か?っていう感じです。
最近の教育界は、「まさか」と思うことがどんどん実現されてしまいますから、今度の発言もあながち個人的な見解ではなくて、かなりの準備が進んでいると考えたほうがいいと思います。
文科省は「脅せば」子どもたちが勉強ができるようになると思っているのでしょうか?また、留年すれば学力が身につくと思っているのでしょうか?いや、本気ですべての子どもたちに学力を身につけようとしているのでしょうか。その覚悟はあるのでしょうか。たぶんないのでしょう。
なぜなら、今回の留年制を語りつつ、一方で小中一体型の学校を作りながら、できる子にはどんどん次に進むことができるコースを用意しています。つまり、一部のエリート以外は切り捨てますよっていうことなんだと思います。そしてその責任は、自分でとりましょう…と。
留年制が実現すると、指導教員を選択させろという声があがってくるでしょうね。そしてそれで教師がどんどん違ったところで評価されていく……。
このように考えていくと、学校選択制から始まり、小中一体型学校、教師の人事考課制度、教員免許の更新制度…といったことがすべてリンクしていたことがわかってきます。つまり、文科省が今後どのような学校像を描いているのかが少しずつ見えてきたと思っています。
そしてそれは残念ながら日本の多くの子どもたちにとってけっしていい方向には進んでいないような気がします。親や子どもたちはますます追い詰められ、保護者と学校との関係もどんどん悪くなっていくでしょう。
ただ、実現できればの話ですが。
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【本】13階段
日曜日に一気に読みました。映画にもなった、2001年江戸川乱歩賞受賞作品です。
宮部みゆき氏の解説によると、この作品のテーマは「社会に対して何らかの負債を持つ人間が、それを背負いつつも社会の(または他人の)ために生きることはできるか」という問いかけらしいです。
私はそれとは別に「人が人を裁くことができるのか」といった大きなテーマも持った作品だと思いました。
実はこれは教育に関しても私がいつも感じていることなのですが……、つまり、人間として不完全な自分が、教師として子どもに指導するとはどういうことなのか…という重くてつらいテーマがあります。
そんなことを考え始めると、教師を辞めたくなってしまうほど重たい課題です。
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