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2008年03月05日

日本風卒業式文化

日本の卒業式は独特だと思います。外国の人たちにはなかなか理解できない部分 (特に物音ひとつたててはいけないという厳粛な雰囲気が理解できないようです) が多いようです。儀式的行事であることを学習指導要領に明記されてから、ますますそういった雰囲気が強くなってきました。それを仮に「日本風卒業式文化」と呼んでもいいかもしれません。

日本の学校の卒業式なのだから、日本らしさを大いに出してもいいとは思います。しかし、こまかな作法を見ていくと、指導している教師や、やらされている子どもたち自身が理解できていないことが多いような気がします。

また、その文化内容が全国共通かと言えば、意外にそんなことはないのです。

たとえば、教師の服装、子どもたちや保護者の服装、入退場の子どもの歩き方、卒業証書の渡し方・もらい方、会場装飾のきまりごと、来賓のすわる位置、壇上にあがる時の作法、エトセトラ……。こういったことが地域によってバラパラであることを私は知っています

どうせバラバラなんだから、雰囲気も含めて、それぞれの学校独自の方法を創造すればいいと思うのですが、なぜかそれは許されていません。つまりわれわれは、全国共通であるという幻想にひきづられながら、それぞれの学校独自の文化を生み出せないでいるわけです。

もしかしたら、このように独自の文化を生み出せないことこそが「日本風」なのかもしれないと思ったりもしています。

そして、「お上(おかみ)」が守ろうとしているのは、日本の文化ではなく、実は「上からの指示に素直に従うこと」だけだということも、このことでわかってくるのです。

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