« 【本】あの日にドライブ | メイン | テレビ買いました »
ハズス・ハズサレル
今日は県民の日で学校はお休みです。職員は年次休暇をとる人が多いです。出勤している人もいます。私はこういった日に、銀行や郵便局をまわることにしています。
さて、昨日は午後から市の教研でした。しおちゃんマンは「学級経営部会」に所属しています。
今回は、他校の高学年の女子の指導についての実践レポートが提案されました。
クラスの女子10名の中で、二人がハズサレていくことについて、どう指導したのかのレポートでした。
高学年のクラスを担任した時は、女子のグループ化や、それにともなう仲間ハズシ・ハズサレの問題は必修課題です。
以前は、「そういった時期は、女子なら必ずある」と、のんびりかまえていたこともありましたが、最近では指導を間違えると、陰湿ないじめや、不登校、教師批判や指導拒否といった問題……、時には大きな事件にまで発展してしまうこともありますので、丁寧に指導しなければなりません。そしてその指導はとても難しいのです。
また最近では、インターネットや携帯メールというものもありますので、それらを使ったハズシやいじめも行われるようになってしまいました。
高学年の女子を見ていると、まるで「誰かをハズス」ことでしか、まわりと仲間であることが確認できないようにも見えてしまいます。
さらには、昨日までハズス側だったのに、今日気がついたら自分がハズサレていた、という状況が繰り返されるので、ハズサレないように、ハズサレないようにと、毎日の気遣いが大変です。
昨日は、しおちゃんマンが討議のまとめの役になってしまったので、いくつか指導のポイントを、問題提起という形で話してきました。
基本はやはり、教師が高いアンテナをたて、さらには子どもたち一人一人とのパイプを作っていくことだと思っています。相談してもらえない教師だと、やはりスタートの時点でマズイわけで、その信頼関係をいかにつくっていくのかがまずは大切ではないでしょうか。実はこれが一番難しい。特に男性教師は。
二つ目は、すぐに解決しようとしないで、粘り強く、悩んでいる子の話を聞いてあげること。もちろんすぐに解決しなければならない時には具体的な動きをしなければなりませんが、教師が動くときには、当面は、まわりにはわからないように、そっと動くことが大切だと思っています。
三つ目は……、これはかなり難しくて、教師のセンスが問われるのですが、「本音で話し合うことを教える」のか、それとも「気遣いを続けていくことを教える」のか、という問題があります。
教師はとかく、すぐに本音で話し合うことを要求しがちなのですが、ケースによっては、本音なんかで話し合わせたら、大変なことになってしまうことがあるのです。つまり、気遣いを教えることも、最近では大切な場合があります。
もちろん、本音で話し合わせることも大切です。しかしそのタイミングもありますので、それを見誤らないことです。
四つ目は、男子の声をどう生かしていくか、という問題です。高学年の女子は、男子に対して「幼稚」と切り捨てているように見えるのですが、実はその発言や行動に注目している場合が多いのです。
さて、こういった問題は、日本全国、高学年の女子で起こっているわけですが、最近新しいケースというか、今まであまり見られなかった子どもが出てきています。
それは、もう友だち関係で悩んだり気を遣ったりすることは疲れるので、一人でいた方が楽…、という子の出現です。
こういった子は、いつも一人でいたい、まわりとは関わりたくない、といった形で出てくるので、それを、どの子とでも話ができるといったプラスの方向にもっていくことがテーマになってきます。
むずかしいのは、こういった子は、最初から教師の指導を拒否していることが多いことです。「みんな仲良くしよう」だとか、「友情が大切」といった学校くささに対して、最初から拒否反応を示しています。
いずれにしても高学年以上の女子の指導は難しい指導であることは間違いありません。その背景には、女の子の生き方の問題や進路問題もからんでくるのですが、今回はそのことについては触れません。
まずは、じっくり、そして急がず話を聞いてあげること、そしてそれができる信頼関係をつくっていくこと、さらにはそういった気持ちの余裕を教師が持てる学校を作っていくことが求められているのだと思いました。
wrote by しおちゃんマン
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://shiozaki.info/mt/mt06-tb.cgi/1172
コメント
こんなに、先生が気にしてくれていることなんですね。女の子ってホント怖いです。30年位前、自分も6年生のときハズサレたことがあってその後も、中学、高校とハズサレないように気を使って過ごした経緯があり、その頃から、33で、長女を産むまで、自分は、男の子しか、産みたくないって思ってました。こんな思い、してほしくないから。でも、7歳と、4歳の二人の女の子に恵まれて逃げるわけにも行かず、子育てしてます。これから、うちの娘たちもそういう悩み、抱えていくんだなあ?って心配です。私は、絶対、親にも先生にも言えませんでした。トイレで何回もなきました。でも、親や先生に言った後の彼女の仕返しを想像するとそのほうが怖かったんです。(表面的には仲良しグループの仲間だったから。)でも、今の私は、絶対に子供に相談してほしいし、まして、ハズスほうには、絶対になってほしくないなって、ドキドキしながら、考えてます。
こんなに心配してくれている先生方もいるんだなってすこしうれしくて、思わずたくさんコメントさせていただきました。
事件になったりする話をニュースなどで、聞くと今から子供の成長が怖いです。
そういう仲間に左右されない強い人間になってほしいなあー。どうしたらいいんでしょうかね。
先生の指導も大変だと思います。でも、今日のしおちゃんマンのコメントみて、なんだかがんばる気が出てきました。いつも、子育ての参考にさせていただいてます。ありがとうございました。
投稿者 みや : 2006年06月15日 19:14
とても興味深く読ませていただきました。私も中学2年のとき、友だちのちょっとした一言に傷ついてハズサレないようがんばったことがあったと思い出しました。こういう場合には親としてどんな風に子供にかかわったり、親同士、または先生と連携していけばいいのでしょうね。また教えてください。
●みやさん
コメントありがとうございました。これから大切になってくることは、子どもも大人も、たくさんの人たちとコミュニケーションをとって、みんなで子どもたちを育てていくことだと思っています。誰もが子どもの成長を楽しみになるよう地域や社会にしていきたいですね。
●hamiさん
子どもが悩んだり傷ついたりしている時に、我々大人がどのタイミングで、どのように支援し、はげましていくのかが難しいですね。まずは担任の先生と常に連絡をし合えるような関係を作っていくことが大切なのかもしれません。そしてその話し合いの中でタイミングや支援の方法を話し合っていくことができるかもしれませんね。
投稿者 しおちゃんマン : 2006年06月17日 00:21
サイン・インを確認しました、 さん。コメントしてください。 (サイン・アウト)
(いままで、ここでコメントしたとがないときは、コメントを表示する前にこのウェブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)