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学習指導の外注化
学校と塾の連携というテーマで、学習指導の外注化が予想以上に広がっているようです。
asahi.comによると、高校や中学だけでなく小学校でも行われていることが報道されていました。
江東区立八名川小では昨年度から高学年の算数の正規授業で塾の先生が教える。中小塾の団体「全国学習塾協会」からの派遣。主に三つの習熟度別授業で1クラスを任されている。年間の算数の授業のうち半分近い。
習熟度別授業は、その多くの場合、教室が一つ増えるケースが多いです。
たとえば、2クラスの学年の場合、習熟度別にその時間だけ3クラスに編成します。つまり、少人数教育としても機能させようというわけです。
となると教師がもう一人必要です。
しかし文科省はこうした習熟度別の授業や少人数教育をやりなさいと言っているわりには、教師の数を増やしてくれません。なにしろ、義務教育費国庫負担金8千5百億円の削減ですからね。
となると、学校側としては、区のお金を使って塾の先生を派遣してもらったほうが安上がりということになるわけです。しかも、塾の先生だと、学力向上の期待に応えることもできるということなのでしょう。
塾の先生にも、すばらしい指導力を発揮する方がいらっしゃいます。
ただ「塾の先生の起用=学力向上」とは必ずしもならないのですね。残念ながら。
今後はその指導内容や方法、そして子どもとの関係、さらには職員との関係のあり方も含めて十分検討していく必要があると考えています。
ちなみに、私が勤務している市では、少人数教育を推進するために、市が学校規模に合わせて講師を常勤で配置しています。
wrote by しおちゃんマン
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このリストは、次のエントリーを参照しています: 学習指導の外注化:
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先日の「公立小中学校の補習を塾に外注?」のエントリーに関して、ふと気づいたことがあります。
私にとっては義務教育の根幹を揺るがすような重要なことが、ど... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2006年01月17日 11:10
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朝日新聞の昨日(1月11日)の朝刊の一面に載っている記事らしいのです。私は、TVの朝のワイドショーで見ていましたので、詳細うろ覚えです。すいません。
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トラックバック時刻: 2006年01月17日 11:11
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子どもの安全確保に県職員が車にステッカー(山形... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2006年01月17日 23:30
コメント
「今後、十分に検討する必要」・・・そうですね。
検討点の一つとして、学校の現在のカリキュラムが生徒に良いものか、(そういうカリキュラムの根本を用意している)文科省の外注化も考えたいです。
文科省と関連の団体でシコシコやるだけでなく、広く求めたら良い、という意味です。世界中に良いプログラムがあるのだと思います。
投稿者 高橋りう司 : 2006年01月15日 06:33
外注するお金がある市町村とない市町村では
今まで以上に教育に差が出で来るのでしょうか。
その点が気になります。
教員免許を持つ保護者のボランティア参加も
ありそうですね。補助ではなく、単独指導も。
投稿者 蔵満逸司 : 2006年01月15日 10:20
こんにちは
私は以前から、担任など一部に専門の教員を置く以外、特に、授業に関しては100%講師にしたらいいんじゃないかと思っています。
だから、外注化というのは悪くないんじゃないかと思っています。結局は、費用対効果の問題ですから。
(もっとも、教員の数を減らさずに外注化を広げることには反対ですが)
投稿者 ゆう : 2006年01月15日 11:22
>高橋りう司さん
教科の系統の問題は戦後ずっと引きずってきていますね。(コアカリキュラム等々)
もう一度原点にかえって、総合的に見直す時代になっているのかもしれませんね。
>蔵満逸司さん
ごぶさたしています。コメントありがとうございました。そもそも教育の二極分化というか、学校間格差をつけたいというのが文科省の一部の考え方であることは間違いありません。もちろんそこには「学校選択」と「教員評価」がセットになっていると考えられます。それが本当に教育の活性化とこの国の未来を開いていくものになるかどうかは、個人的には疑問をもっています。
>ゆうさん
コメントありがとうございました。教科担任制も含めた、教科専門職をおくことについては大いに前向きに論議できると思います。ただそれを外注化(民間に委託する)こととつなげて考えていくことには慎重でなければならないと思っています。理由は、お金の流れが発生するからです。子ども不在の教育政策にならないようにしていかなければならないと思っています。
投稿者 しおちゃんマン : 2006年01月15日 12:46
市が学校規模に合わせて講師を常勤で配置>
私のお伺いする地域でも、コレを行っているところが幾つかあります。
余談ですが、これのおかげで、退職された先生など、懐かしい方にお会いすることができました^^
投稿者 eigyou_t : 2006年01月15日 12:57
>eigyou_tさん
コメントありがとうございました。
本来は、正規採用の職員を増やすことが一番いいのでしょうね。
講師のみなさんは、その勤務条件がかなり厳しくて、身分の保障等々、かなり制約があります。
こちらでは、次年度に採用試験を受けるという若い人たちが市の少人数推進委員として常勤で勤務しています。
ということで、費用は県ではなくて、市が出しています。
投稿者 しおちゃんマン : 2006年01月15日 13:17
「教育の外注化」は、すでに放課後の学習塾、習い事などで、以前から行われてきました。それが、本格的に学校教育の中に入り込んできたわけですね。これは、公教育にとって、何を意味するのか、また教師の教育権をどう見て行くのか、大きな変質だと思われます。
投稿者 いもじい : 2006年01月15日 13:40
>いもじい さん
コメントありがとうございました。「教師の教育権」という視点があるわけですね。機会がありましたら、教師の教育権というのは、どのように保障されているのかを教えてください。今後ともよろしくお願いいたします。
投稿者 しおちゃんマン : 2006年01月15日 13:45
>ただ「塾の先生の起用=学力向上」とは必ずしもならないのですね。残念ながら。
これは塾に行っても苦手科目ができるようになるとは限らないのと重なりますね。結局、子供の学力が左右されるのは子供を育てる親の意識ですね。学力が向上するように親がサポートすれば、塾も習熟度別授業も生きますが、そうでなければ…。
子供の学校でも、2学期はおっしゃるような、3クラスを4クラスに分ける習熟度別授業をやっていましたが、効果はどうなのかイマイチ良くわかりませんが、3学期からは1クラス内で2クラス分けるようです。まだまだ試行錯誤している感じで、ちょっと心配。
投稿者 Y : 2006年01月15日 14:39
>Yさん
習熟度別は、ほとんど算数で行われているのが現状ですね。
それでも単元によっては、教室をわけないで複数担任制にする場合もあります。
実は私のクラスではほとんど複数担任制を採用しています。私のクラスの人数が27名と少ないこと、さらには単学級であること、そして習熟の差がほとんど見られないことが理由です。(それでも算数だけです)
その代わりに、算数に限らず、他の教科でも理解が若干遅かった子どもは、毎週火曜日の放課後に補習をしています。これは全校で取り組んでいます。
子どもの「わかり方」って、学習内容によって一人ひとりが違うんですね。現実には。
子どもによっては、個別に指導した方がわかる場合があったり、同じ子でも、単元によっては集団で学習した方がわかりが早かったり……。
そういった子ども分析と、学習内容分析がなされないと、本当の意味での「わかる授業」はできないというのが私の考えなんです。
ということで、人数を少なくしたり、クラスをわければわかるようになるというのは、ちょっと単純すぎるかなと……。
おっしゃるように保護者の方のサポートも大切ですね。私の場合、可能な限り日刊通信で現在学習している内容をお知らせすることにしています。
学習内容だけでなく、学校生活の話題も書いていますが、まず教師が風通しをよくすることが大切だと思っています。
投稿者 しおちゃんマン : 2006年01月15日 15:12
初めまして^^ 私は教師志望の学生です☆
このBlogはちょこちょこ拝見させていただいてました。
先輩教師が現状の教育をリアルタイムに書いてくれることにより、教師を目指す私にとってはなによりの良い情報になります。
私は今年度の教員採用試験に落ちてしまいました。そして今、臨時教員の採用の結果待ちです。財政的にも教育の場は厳しくなってきていると耳にします。この現状の中、臨時教員を採用するということはまた難しくなってきているのかもしれません。
そのためには私が一年でも早く教員採用試験に合格する必要があると思います。
私の尊敬する教師に『おまえは今の教育に必要な存在だ。頭は悪いけど・・・。今の教員採用試験はお前のような人材を嫌う傾向にある。勉強ができて真面目な人材を採ろうとしているのが現状だ。だからまずは教員採用試験に受かるしかないんだ。受かってから自分の力を発揮しろ』と言われました。
この言葉を糧に私は教師の道を目指していきたいと思います。
また拝見させていただきます。
投稿者 MT : 2006年01月15日 16:03
はじめまして。私は今年度正採用された初任者ですが算数の習熟度を担当してます。勤務校も単学級・少人数(20人以下)なのでこれ以上少人数にする必要があるとは思えません。学力にもあまり差はないと感じています。何でもかんでも少人数、ってどうなんだろう…と疑問を感じていますが、教育委員会はとにかく2つに分けること!と強く言ってきます。もともと小規模校なので空き教室もなく、特別教室を借りて授業をしているのが実態なんです。内容から外れて申し訳ありませんが、こんな現場もあるということを知っていただきたく、書き込みます。何のための習熟度・少人数指導なのか、わからなくなってきています。
投稿者 夏猫 : 2006年01月15日 16:12
まずは「義務教育費国庫負担金8千5百億円の削減」のためでしょうね。私も「塾の先生の起用=学力向上」とは思いません。塾は親の熱意があってこそ生きてくるので。それは習熟度別授業も同じです。親がこれを子供の学力向上に利用しようという熱意がないとうまく機能しないと思います。
うちの子の学校でも2学期は3クラスを4クラス習熟度別授業をしていましたが、3学期は1クラス内を2クラスに分けるそうです。いろいろ試行錯誤しているようで、心配です。
投稿者 Y : 2006年01月15日 16:35
あ、すみません。前のが投稿できていたんですね。。。「二重投稿様」になってしまいました。
投稿者 Y : 2006年01月15日 16:38
一時期より採用は楽になったらしいですけど、そのぶん、制度がタイトになっている印象があります。
去年だったか、人材不足に悩む自治体が、他県の志望者を増やそうと熱心にPRするニュースを思い出しました。
入試にせよ採用試験にせよ、ボーダーラインを超えていたら(たいてい、志望者の8割以上は越えてるでしょうか)あとは運ですw(いや、ほんとに)
がんばってください
(あれ?なにを言いたかったんだろう(笑)
投稿者 ゆう : 2006年01月15日 23:35
私は採用試験でくじけてしまったので、
もしかしたら学校で授業を教えるチャンスが
広がったような気がして、少々嬉しい記事です。
その前に、教える機関にいないといけないですよね・・・。教える現場に戻りたい気持ちが増しました。
投稿者 スモッカ : 2006年01月16日 10:24
>MTさん
まず採用試験をがんばってくださいね。でも、その過程においても、どうか自分らしさを忘れないでください。今年の夏、吉報をお待ちしています。
> 夏猫さん
習熟度別も、少人数教育も形骸化してきていますね。大切な何かを忘れてきてしまったとしか言いようがありません。先のコメントにも書いたように、子ども分析、学習分析なしに、形だけ進めてもダメだということですね。ありがとうございました。
>ゆうさん
私たちは、教師を目指す若い人たちに夢を与えることができているのかと、ふと思ってしまいます。がんばらないと……。
>スモッカさん
教える現場への道はもうないですか?遠回りしてきた教師ほど、子どもたちの悩みや苦しみがわかる…というのが私の経験でして……、私などはストレートでしたので、意図的に学習し努力しないといけないと思っています。
投稿者 しおちゃんマン : 2006年01月16日 19:02
親として、また自分の子供のころのことを考えても、小学校ではやはり学校の先生がクラスのリーダーとして、子供たちの尊敬を集める人だったと思います。学校において、「難しい勉強は塾の先生に聞きましょう」というようなシステムで、先生の威厳というようなものはどうなるのだろうと思いました。
学級を運営していくための先生の武器が減ったというか、両手両足もがれているんじゃないかと思いました。
この問題についてトラックバックさせていただきます。
投稿者 ワタナベ : 2006年01月17日 10:37
>ワタナベさん
TBありがとうございます。ただTBのお返しがエラーになってしまいうまくいきません。申し訳ないです。
おっしゃるとおり、私たちはいったい何の専門職なのかと、疑問に思ってしまいます。
むなしい思いをしているるのは私だけでしょうか。
投稿者 しおちゃんマン : 2006年01月18日 07:30
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