「後始末」を意識的に!
夏休みに「家庭で意図的に取り組んでほしいこと」シリーズです
今の子どもたちは、準備をすることには意欲的ですが「後始末」が苦手です。
これは、家庭では親がやってくれるだろうということが体にしみついてしまっていること…、逆に親からしたら、自分で後始末をしてしまった方が早いのでついつい手を出してしまう……。
一方学校でも、準備とその取り組みの指導は手厚くするのですが、それに比べて「後始末」の指導は二の次になりがちなこと……、があげられると思います。
「後始末ができない」ということを言い換えてみると、
・無責任
・やりたい放題
・後は知らん顔
・言い逃れ、責任転嫁……エトセトラ
ということです。今の子どもたちや若者、いや、日本の社会の問題にまでつながっていることがわかります。つまり「後始末」のしつけや指導は、とても大切なことだということになります。
さて、「後始末」とは何かを考えてみると、次のように考えられると思いました。
[後始末って]
1)実は「後始末」は、「次への準備」なのです。
2)「後始末」は、自分だけでなく他者(みんな)のことを考える「しつけ・指導」です。
3)「後始末」は、仕事の段取り(簡単に素早く、そしてきれいに)を教えることができます。
4)「後始末」は、「準備」よりも簡単です。『準備は10分、後始末に5分』を合言葉にしてみましょう。
※「準備」は、アイデアや工夫、さらには「相談」という要素が入ってくるので時間をかけてもいいのかも。
さて、家庭ではまず何ができるでしょうか。今日はとりあえず三つ、すぐにできそうなことを提起してみますね
一番簡単でわかりやすいのは、「はきもの」の「しつけ」です。日常的に「はきもの」がぬぎっぱなしになっていませんか?
はきものをそろえるというのは、「後始末」の行為であると同時に、出発の準備を整えることでもあります。したがって、出発するときに「そろえておいたから、すぐにはくことができるね」という言い方で教えてあげると、子どもはよくわかると思います。
次に、洗濯物を取り込んで、タンス等にしまうまでの仕事を子どもに教えてみたらどうでしょうか。
これも「次に使うときに、いかに使いやすくしまうか」の指導になります。また、当然自分のものだけでなく、家族みんなのものを片付けるわけですから、家族みんなのことを考えることにもつながります。
最後に、食事の後始末を教えることです。子どもたちに聞いてみると、食事の準備のお手伝いはするけれど、後始末をする子は少ないことがわかりました。
食事の後始末は、簡単に素早く、そしてきれいに片付ける「段取り」を教えることができます。また、残し物があった時など、食べ物の大切さにも気がつくことができます。
どうでしょうか。これくらいならできそうですね。
この夏休みを利用して、ぜひチャレンジしてみてください。
余談になりますが、教室では「後始末」ができないのは男の子に多い、という傾向があります。(あくまでも「傾向」です)
これは上記のような家事労働は女の子には小さいときからやらせるけれど、男の子にはやらせないという傾向が日本にあるからではないでしょうか。
まず大人の価値観を見直すところから、こういったしつけや指導の問題を考えていく必要があるのかもしれません。
wrote by しおちゃんマン
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コメント
こんばんは。
後片付けの話、とっても、耳が痛かったです。我が家の3人の子供も、準備は楽しんでできるのですが、片付は苦手・・・
恥ずかしい話ですが、おもちゃ部屋など、ぐちゃぐちゃのままになっていることが多いです。
夏休みの勉強は、予定をたてたのですが、勉強だけでなく、他にもしなければいけないことがあるようです。
参考になりました。
投稿者 鵜匠 : 2005年07月27日 22:28
感動して、子どもたちに要約して読み上げてあげました。
モンテッソーリ子供の家では、「次の人のために〇〇しておきましょう。」という言葉がけを子どものためによく使います。
この精神って大事ですよね。
投稿者 Yまま : 2005年07月28日 06:37
後片付け
ソレができない大人、特に女性が
テレビの話題になったりしている現代
本当はいろんなことを気づかせてくれる
とても身近にあって、為になるものなのですね。
知識詰め込みだけではなく、このようなことって
なかなか行われていませんね
投稿者 いずみ : 2005年07月28日 09:40
後始末の進めはとても大切だと思います。新卒時代先輩の机の中をのぞいて感嘆の声を上げた私に「片付けるために片付けたのではだめだ。次に使うために片付けるんだ。」と教えてくれました。それ以来、見た目にきれいな片付けでなく、次に使うときのイメージを持って片付けるようになりました。一つ動かしただけでぐちゃぐちゃになるような片づけではだめなのです。
それ以来自宅も子ども達がどう使うかを考えて「片付けやすい工夫」をしています。仕切りを設けるとか箱に入れるとか・・・・もちろん教室も小さい箱に分類して引き出し式で棚に入れます。誰が使っても同じように片付くのです。子どもに「ちゃんと片付けなさい!!!」という前に本当に片付けやすかったのか?と考えます。そうすることで見えなかったことが見えるようになりました。子どもの視線では見えない、届かない・・・・など。
教室はいつもすっきり。一度その場所を覚えると子ども達は何もいわずにその場所に片付けます。ですから私の教室には子ども達と共有する物がいっぱいです。はさみも50本くらい置いてあります。いつでも自由に使います。でもそこらに転がっていることはありません。ちゃんと定位置の箱に収まっています。
これって教材研究に似てませんか?子ども達の頭の引き出しに入れて欲しいことは、実は出すために入れるのだと。
投稿者 ひだゴン : 2005年07月29日 10:52
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