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指導要録の謎
明日、修了式をひかえて、教師はまだまだ忙しいです。通知票はもちろん書き終わっていますが、今は指導要録というのを書いています。
これは何かと言うと、いわゆる、保存用の成績票です。その年、その年の担任が書いて引き継がれていくもので、転校しても新しい学校に原本のコピーが郵送されますし、卒業後も保存されます。
最近では、この指導要録は、請求がありそれが認められれば公開しなければなりません。
ところが、公開しなければならないということが決まったあたりから、現場に奇妙な通知がありました。その指導要録の所見欄には「その子の悪いことは書かないように」という命令です。
それまでは、その子の良い面と、今後の課題などをきちんと書いて次の担任に引き継いだり、担任は、指導の資料として時々参考にしたりしたものですが、「悪いことは書かない」ということになってから、まったく指導の資料としては役に立たなくなってしまいました。
いったいなんのためにこんなに大変な作業をしているのか、現場の教師は首をひねりながら仕事をしています。
それに私たちは、今後の課題として、その子の足りない面を書くのであって、その子を否定するために足りない面、弱い面を書くのではないのです。
もっとも、文科省・教育委員会サイドは、「悪いことを書かないようにする理由は公開されるものだからである」などとは絶対にいいません。
子どもの良いところを見ていくスタンスこそ大切である、などという、指導要録の話をしているのに、筋違いのコメントを繰り返すばかりです。
ああ、こうして教育の仕事は形骸化していくのだと思いました。
コメント (4) /トラックバック (1) /wrote by しおちゃんマン