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問題別分科会(全生研大会)
問題別第9分科会「荒れ・暴力」の指導の、しおちゃんマンメモを公開します。
担当 藤木、楠、塩崎
参加者数 46名
まず、楠さんから、荒れ・暴力の背景について問題提起してもらいました。概略は以下のとおりです。
[三つの類型]
(1) 幼少期からの虐待的環境に置かれており、中学校段階でも発達的には9,10歳の壁、またはそれ以前の状況におかれているために自らの感情や内的葛藤を言語化して表現するための発達的な基盤そのものが脆弱であり、衝動的な行動化に到ってしまうもの。
(主要な援助・指導課題)
・対象恒常性のある大人との関係の保障。
・「視覚的な支え」も含めた、規則が明確であり、見通しの持てる生活世界の保障。
・ライフスキルの獲得←「つもり」、感情の部分は受容しつつ、非暴力的な行動の選択を要求。
・仲間集団との関わりの中で「自己形成」の力、多面的理解の力を育んでいく。
(2) 前思春期の友人関係の中での親密製の形成過程、思春期の「価値的自立」の過程でのつまずきや葛藤としての荒れ・暴力
(指導・援助の課題)
・子ども自身が「荒れ」や「暴力」でしか表現できない内的葛藤や自立へのもがきをまずは教師が、ついで他の子どもたちと一緒に読みひらき、本人に返していくこと。
・保護者が我が子の子育ての過程や自分の内的葛藤を振り返りながら、一個の人格を持つ存在として、我が子を等身大に受け止めていけるように援助していく。
・『斜めの関係』で少年に寄り添い、対話と対決していける大人の存在の重要性。
・自分自身の価値的自立の拠点となるような体験、活動、学びの場との出会いの保障。
(3) 障害に対する適切な理解や援助がなく、不適切な教育、養育によって二次的な情緒障害の問題が深刻化した荒れ・暴力
(指導・援助の課題)
・視覚的な支えも含めた、時間的・物理的な生活世界の構造化によって「生活の見通し」が持てるように援助すること。
・その子どもから見た時のパースペクティブ(その子から見た時の世界の見え方・感じ方)の読みひらき。
・その子どもの持つ特性をクラスの中で「個性」として発揮できる活動の創造。
次に、三つの類型別グループ、6班に分かれて、自分のところで抱えている、荒れ・暴力問題について交流。
そして班の中で代表的な課題について発表。実に様々な、そして重い課題が報告されました。
そして藤木さんから、荒れ・暴力問題を抱えている子どもと、どのように応答関係をつくっていくのかを追求することの重要性が提起されました。そしてその提起について論議。
最後に、しおちゃんマンから、この分科会を4つのキーワードでまとめました。
※1、教師がその子の中のどのような他者として登場するのか
・支え、励ましの他者か(応答関係をつくるための追求)、それとも管理、封じ込める他者として登場するのか。その時に楠提起が生きてくる。
※2、その子の行動や、トラブルをどう集団的に読み開く。「つもり」をみんなで読み開くことの重要性。
※3、親(親たち・地域)との関係をどう結ぶのか。
※4、それができる学校や地域をどのようにつくっていくのか。
以上、しおちゃんマンメモでした。
メモなので具体的な部分で見えないところがあると思いますので、質問がありましたら、全生研MLで、楠さんや藤木さんに質問してみてください。
wrote by しおちゃんマン
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コメント
僕は「荒れ」という言葉がふさわしいのか、と考えています。
目の前の子ども達を見て、「これってだだこねているだけじゃないか」と思うことも多いからです。
そういう意味では類型の(1)に当てはまる子ども達が多いのかもしれません。
虐待は何も殴ったり、ご飯を食べささないことだけではなりません。
「いい子であることを強要する」…愛情の名の下に支配する、これも子どもからしたら精神的虐待です。
これが一番多い気がします。
(2)は典型的な「荒れ」かもしれませんね。
自分の記憶でも、この時期は荒れてました。何もかもうざくて…。でも、思春期ってそんなもんでしょう。
で、僕ら教師は…
よき他者として彼らと出会えるようにすることに、心を砕くべきですね。
ではでは。
投稿者 Haru : 2004年08月02日 23:54
京都の藤木さんは、子どもと応答関係をつくることに徹底的にこだわるというお話をしていました。
そして私たち実践家は、そこからスタートせざるをえないと……。
なるほど…そうだなあ…と思いました。
投稿者 しおちゃんまん : 2004年08月03日 22:35
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