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【本】八日目の蝉
今年最初に読みきった本です。すごく評判のいい本。ネットのどの書評を読んでみても絶賛、という感じ。確かに感動的な作品です。
人は自分が自分であることをどう受け容れるのかという問題…、しかもその「自分」というのは、他者の生き方や、ちょっとしたことによって大きくその生き方まで狂わされたり、規定されてしまうという矛盾…、いやそれを矛盾として受け入れるのでなく、蝉が八日目を生きることを「異端」ではなく「可能性」として前向きにとらえる生き方があるのではないかということ。
一方で、個の生き方を規定する人と人との「つながり」の問題。結婚、血縁、家族、愛…、制度やあいまいなものをこえたつながりがあるのではないかという問題。そんなテーマにふれてみたいという作者の思いも伝わってきます。
個人的な感想ですが、前半は緊迫感に満ちていてテンポがあり一気に読めてしまいます。また、後半は、上記のテーマを真正面に見据えながら、感動的です。
にもかかわらず、「まいりました感」「おそれいりました感」がないのはなぜなのでしょうか?「えっ?そこで終わるの?」っていう感じなのです。
もしかしたら「もっといっしょに考えてみようよ」という角田光代さんの呼びかけなのかもしれません。若い女性に人気があるのは、そういったスタンスがあるからなのかもしれません。ということで、私のような世代(一緒になって考えてみる時間がない)にとっては、「結局、結論はなんなの?」といった思いが残ってしまうのでしょう。
※男性の生き方や苦悩に対して作者の目が厳しく、冷たいことにも原因があるのかもしれません。
---ハーフマラソン完走に向けて------
1/2 9~10km/h 5km/160km 31分
シューズを買いました。買ってから50kmは、走っておくといいそうです。
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