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2007年08月10日

選択給食の報告ミス事件

津市の小学校で、児童がおかずを選択できる給食のとき、4年生担任の50代男性教諭が注文数を取り違え、希望するおかずが食べられない子が出たため、一部の児童におかず代として100円渡し、「ほかの人には言わないように」と口止めをしていたという事件が報道されました。その教諭は現在体調を崩して休んでいるようです。

注文は、うなぎ(9)と、とんかつ(24)だったそうですが、どうやらそれをまったく逆に注文してしまったようです。

ここでは、2つのことについて考えなければなりません。

一つは、注文数を取り違えてしまったこと。これは大いにありえるのです。今回のようにまったく逆に注文してしまったことはありませんが、私も事前に注文した数と、当日の数が合わなかったことがあります。

どうしてそんなそんな単純なミスをするのか…、と批判される方が多いと思いますが、注文専門の仕事をしているのだとしたら、おそらくそんな単純なミスはしないでしょう。

授業と授業の合間に次の授業のことを気にしながら子どもたちと話をし、一方で給食注文数を計算して報告文書を作成。そして次の休み時間にはそれを提出……。ワーッという感じで一日が過ぎていく中では、こういったミスも出るのです。

ゆえに、注文数を間違えてしまったことについては、それなりの責任はとらなければならないのかもしれませんが、少なくとも私は共感し、同情します。

二つ目は、子どもにお金を渡してしまったことです。残念ながらこのことについては、完全に間違いです。こういうことがあってはいけません。

ただ、どうして他のクラスや学年に相談し、おかずの数を調整することをしなかったのかということを考えてみたいとは思います。

報道によると、どうやらクラス内では調整をして、どうしても食べられなかった子は7人だけだったようです。そのくらいの数だったら他のクラスや学年に相談すれば調整できたと思いますし、私だったらそうします。

調整をしなかったのか、それともできなかったのか……。おそらくできなかったのだと思います。なぜできなかったのか。ここに、外部のみなさんにはなかなか理解できない最近の学校事情や学校内の雰囲気があるのではないかと思うわけです。

50歳と言えば私と同年齢。私たちが若い時もそれなりに忙しかったとは思いますが、お互いのミスはカバーし合える関係はありました。

今も、教師個々には仲間のミスをカバーしていこうと考えている人がほとんどだと思います。ただ、いざ自分がミスをしてしまうと、それは一人で抱え込まなければならないと考えてしまう関係性になってしまっているということです。

そういった関係を作ってしまったのは、昨日書いた「教育のサービス化政策」の中で、自己責任、責任追及の雰囲気が学校内に広がったからであると言わざるをえません。

今学校が取り戻さなければならないことは、ゆったりとした時間の中で子どもたちと向き合うことのできる空間と、教師同士のつながりであることは間違いありません。

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wrote by しおちゃんマン

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