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2007年06月16日

映画「手紙」

遅まきながら、映画「手紙」(東野圭吾原作)をDVDをレンタルしてきて観ました。久しぶりに、いい映画を観たなあと思いました。

ラストの場面の、兄が手を合わせて涙している感動的な場面は、どうしてあんなに感動するのでしょうか。また、タイトルを「手紙」にした理由はいったいなんだったのでしょう。

この映画は、犯罪を被害者の立場で描いたところが評価されているようですが、ここではまた違った視点で感想を書いてみます。

「手紙」というのは、相手の事情や状況がわからずに出すという特徴があります。ましてや、片方が塀の中であればなおさらです。

相手の事情や相手とのしがらみ、そして損得…そういったものをすべてとりはらって相手とつながろうとする時に、私たちは何に依拠してつながろうとするのでしょうか。またはそのつながりを維持しようとするのでしょうか。

作者は、そんなことを私たちに問いかけているような気がしました。

現代の人と人とのつながりは、親子関係でさえも、見栄や損得、市場主義でつながっている傾向があります。

また、集団でいるときも、「空気を読む」といった言葉で、まわりの状況に気を使いながらつながっていこうとします。

そんなつながり方ではなく、もっと違ったつながり方があったのではないか、それを感じるので、私たちはこの映画を観て感動するのだと思いました。

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