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2007年05月01日

学級地図をつくろう

全国生活指導研究協議会の学級集団づくりの手法の一つとして、「学級地図」というのがあります。子どもたちの関係を地図のように図に表しながら、学級を分析する方法です。

学級地図をつくることで次のようなことがわかります。

[指導が難しい子に関わって]
・教師が振り回されてしまっいている子は誰なのか、そしてその子はどんな人間関係の中で生活しているのか。
・その子が暴力を振るったり、反抗している時、どんな子が同調し、逆にどんな子がそれを批判的に見ているのか、そしてどんな層が無関心なのかが見えてくる。
・その子に関して相談できる子は誰なのかが見えてくる。

[女子のグループ化に関して]
・どんなことでつながっているのかが見えてくる。
・なかまはずしが予想できたり、その危険を事前に察知し、対処できる。
・グループ間の力関係がわかり、その中でリーダー的な子は誰なのかが見えてきて、誰にどんな話をすればいいのかがわかる。

[孤立しがちな子に関して]
・誰が孤立しているのかがわかる。
・その子に声をかけてほしい子、かけられる子は誰なのかがわかる。

その他、今後の実践の方向性やねらい、見通しが見えてくるのがこの「学級地図」です。

●学級地図のつくり方
作り方は、ノートに書く方法が一般的ですが、しおちゃんマンは、以下のようにしています。

[用意するもの]
・子どもの名簿
・氏名印
・ポストイット(7センチ×2.5センチ)
・A3の紙、2枚。それをつなぎ合わせる。かなり大きくなる。

[作りかた]
(1) ポストイット一枚に一人、氏名印を押す。押す場所は、左上がよい。あいたスペースにその子に関する簡単なメモを書くため。女子のポストイットには、赤い印をつけておくとわかりやすい。

(2) A3の用紙2枚をつなぎ合わせたものに、そのポストイットを貼っていく。グループになっている場合は、その子たちのポストイットをくっつけて貼っていく。グループ同士が近い関係にある場合は、グループ同士を使い場所に置く。

(3) 孤立してしまっている子は、用紙の一番下に並べて貼っておく。

(4) 鉛筆で、そのグループをまるく囲んだり、力関係を矢印で表したりする。

(5) 完成したら、コピーしておく。

[利用の仕方]
(1) 定期的にポストイットを移動させながら、その変化を見る。私の場合、一ヶ月に一回、または、大きな行事が終わった直後見直したり、作り直したりする。

(2) 学年会や研究サークルなどで、それを広げて今後どのような指導方針を持ったらいいのかを相談する。

(3) 2学期以降、学級にリーダーが育ったら、その子たちと一緒に学級地図を見ながら、友達関係や学級ついて話し合う資料にする場合もある。

私たちは一人ひとりの子を大切にし、その発達を保障し、支援・指導していかなければなりません。しかしその一人ひとりは、実は集団の人間関係の中で生活していることを見落としがちです。

どうしても、教師とその子との一対一の関係でしか見ていない場合が多いのではないでしょうか。ゆえに、教師の指示に従える子がいい子で、従えない子が悪い子、といった見方をしてしまいがちなのです。

そうならないためにもまずは、学級集団を分析してみることから始めてはどうでしょうか。

ぜひお試しください。

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