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「質と量」の問題
「質と量」の問題に関わって、最近の学校教育について思いついたことを二つ。
一つは授業時数の問題。
学力低下問題を受けて、授業時数を確保するために、夏休みを削ったり、休日を減らしたりして授業時数を確保する動きが全国に広がっています。
単純に考えて、授業時数を増やせば学力が保障されるのか?という問題が一つ。
もちろん授業時数を確保することは大切ですが、「質」(授業の中身)の問題を抜きにして、この問題は解決できないことは誰もがわかっていることです。
にもかかわらず、量の問題が優先されてしまうのは、単に説明責任のための取り組みであると言わざるをえません。
さらに言えば、学力の問題は、その低下にあるのではなく「格差の広がり」にあるのではないかというのが、しおちゃんマンの最近のとらえかたです。
現行の教育課程のもと、授業をやればやるほど格差が広がっていくといった事実に目を向けないかぎり、この問題は解決しません。
二つ目は、教師の研修の問題。
2007年問題を目前にして、教師の採用も増えてきています。
しかし、新採用教師の研修があまりにも理不尽な「量」なのです。
教室や、職員室の会議をほったらかして研修に出かけなければならないケースも、全国からたくさん報告されています。
さらに問題なのは、この研修、あまり評判がよくないのです。つまり、あまり役に立たないという声が多いのです
文科省や教育委員会は、もちろん新人の教師のために、必死に準備をして研修会を開いているのだと思います。ところがこの内容が若い人教師の思いとすれ違ってしまうのはなぜでしょうか。
それはおそらく、教師の仕事の特殊性にあるのだと私は考えています。
簡単に言えば、机上の研修よりも、子どもたちから学ぶことが教師を育て、教師が育っていく過程で子どもが育つ…といったことがあるのが私たちの仕事だと思うからです。
だからといって、現行の研修をすべて否定するものではありませんが、こうした教師の「学び方」「育ち方」にこそ目を向けていくことも大切なのではないでしょうか。
説明責任のために量ばかりを優先させ、その質に目を向けないことは、逆効果になることもあることを実感しています。
コメント (2) /トラックバック (0) /wrote by しおちゃんマン