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親のトラブル・親とのトラブル
右サイドバーでも紹介している、雑誌「生活指導」10月号の特集テーマは「親のトラブル・親とのトラブル」です。
この中で、全生研常任委員の今関和子さんは、親と教師のトラブルも親同士のトラブルも、子どもの問題をめぐって起きてくるものだとし、その背景を以下のように分析しています。
とりわけ親と教師のトラブルは、わが子が担任に、確かに受け止められているのか、大切にされているのか、という心配や不安から起きる場合がかなり多いです。
繰り返しになりますが、それは子育てが個人の責任にされていることが大きく影響しています。地域が崩れ、親たちの横につながりもつくれない中、多くの親は、親だけで孤独な不安な子育てを強いられているのです。
さらには、
また、わが子がどう見られているのかは、親自身がどう見られているのか、認められているのかという問題としても受け止められる傾向があります。
今、社会は、子どもたちの生き辛さだけでなく、大人の生きがいや、自己実現も奪っています。親自身も、一人の大人としての自信をもち、自己実現をしているとは言えないのです。親として評価されないことは、その人自身が評価されないことにつながってしまうのです。
実は、こうした孤独と不安の中で生きているのは教師も同様なので、
「こんなに(教師が)がんばっているのに何で親は文句を言うのか」
という愚痴がが出て、実はその愚痴は、
「こんなにがんばっているのだから認めてほしい」
という教師の叫びでもあるとしています。
そして、この章では以下のように結んでいます。
親たちも私たち教師も、同様な思いの中で生きているのです。そうだとすれば、同じ生き辛さを生きているもの同士が、頭をぶつけ合いいがみあうことなく、逆に手をつないで生きていく道こそが必要です。
トラブルこそが共同の必然を生み出すものである……、いやむしろトラブルを積極的に受け止めていくべきである、といった視点が、とても学べる論文でした。
コメント (0) /トラックバック (1) /wrote by しおちゃんマン