« 2005年07月23日 | メイン | 2005年07月25日 »

2005年07月24日

【書籍】震度0


icon
icon
震度0
icon

久しぶりに「一気に読んでしまった本シリーズ」です。

今回は、横山秀夫氏の新刊「震度0」です。410ぺーじの分厚い本ですが、二日間で一気に読んでしまいました。

横山秀夫氏は私と同じ1957年生まれで同世代。新聞記者を経て、作家の道に入りました。映画化された「半落ち」は有名ですし、テレビの2時間ドラマでも彼の作品がシリーズ化されています。

横山氏の警察小説は、警察内部の人間関係がこまかく描かれていて、思わず引き込まれるのですが、警察官の友人に聞いてみると、あれほど内部事情に詳しい小説が書けるということは、記者時代に警察から信頼されていて、かわいがられていた人ではないかということでした。

さて、「震度0」の中身ですが、キャリア組エリート、準キャリア、叩き上げ組の幹部達が、一つの事件をめぐって情報戦を展開していきます。その結末は、アッと驚くものでした。

それにしても、警察の階級競争というか、出世競争というのは大変だと思いました。ただそれがこの小説のように事件解決を遅らせることにつながってしまうと困るわけですが……。

実は教師の世界も、少しずつ階級的な職種を増やす方向で動いています。

今の管理職は、校長、教頭だけですが、それに準管理職という形を置くことが試行されています。いやすでに東京都の一部ではやられているのではないでしょうか。

組織管理を強化するための取り組みだと思うのですが、ピラミッド型を強化すると、責任の所在(成果の所在も含む)ははっきりするとは思いますが、共同の取り組みが損なわれるというデメリットがあります。子どもたちを教職員集団で育てていく教育活動において、強固なピラミッド型の組織はなじまないのではないかと考えています。

しおちゃんマン的には、定年退職まで教室の教師でいたいと考えているので、どんな組織になっても個人的には関係ないのですが、教育活動がやりにくくなることだけは確かです。

コメント (3) /トラックバック (3) /wrote by しおちゃんマン