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職員室に何が起こっているのか
教師のおかれている現状は年々厳しいものになっています。月刊「生活指導」(明治図書)7月号の「今月のメッセージ」で、齋藤修氏は次のように書いています。
今年のI市の人事異動では、退職者の数が例年の2倍以上もあり驚かされた。定年まで後2~4年残して辞めていった方が目立った。ひとつの学校から7名もの退職者が出たところもあり、40代後半の教師も数多く現場を去っていった。
そして、『多くの仲間が職場の中で孤立し、悩みを語れずに苦しんでいる』とし、
職場には自己責任の考えが深く浸透し、失敗が許されず、常に緊張感が続いている。また、それぞれが自分のことで精一杯でお互いに認め合う関係が成立しにくいのである。人は自分が大切にされず、軽く扱われているときに生きる力を失っていく。教師の共同がずたずたに切り崩され、どんなに頑張っても認められない無力感が身体全体を覆い始めていく感じがする。今、このような状況が教師であり続けることを難しくしている。
ここまで退職者が増え、中には自殺者までも出てきているということは、もう教師個人の資質の問題ではなく、教育行政の失敗であることは明らかです。
教師のみなさん、そろそろ声を出そうではありませんか。私たちは「説明責任・結果責任」のための書類作りに追われ、そんなことで評価されるのではなく子どもたち一人ひとりと向き合いたいのだと。
また、悩み、苦しんでいるのは教師だけではないという視点を持つことも大切です。長い不況の中で民間で働くみなさんは私たち以上に傷つき、悩み、苦しんでいます。そして、子育てもまた、自己責任の考えが深く浸透しています。その中で多く保護者が悩み、自分を責めています。
私たちは、保護者に現場への理解を呼びかけつつ、一方で子育ての共同を呼びかけていくことが求められているのだと思っています。
コメント (2) /トラックバック (1) /wrote by しおちゃんマン