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終戦59周年を前に
終戦の日を前に、上記の本を読んでみました。「半落ち」でベストセラーを生み出した横山秀夫氏の本は、氏の警察物が好きですべて新刊で揃えています。そして今回、戦争に関する新刊が出たということなのでさっそく購入して一日で読みきりました。
横山氏は私と同い年。もちろん戦争を体験しておらず「期待される人間像」の文科省の教育方針の下、高度成長期に子ども時代をすごしてきた世代であり、学生運動にも「間に合わなかった世代」です。そんな氏が戦争をどのように総括しているのかに興味がありました。
内容は……、甲子園の優勝投手の並木が「人間魚雷」の搭乗員となることをなぜ受け入れたのか…。そしてそのことを通して、戦争の意味や生きることの意味を問い直そうとしています。
当時の若者が、主人公並木のような社会のとらえ方をしていることに若干違和感がありましたが、生きること・死ぬことの意味を誠実に問い続ける主人公に共感しました。
「命」の大切さを教えることの重要性が叫ばれています。
「命」(生)を教えるということは、(死)は(生)の絶対否定であるという冷厳な事実と、どんなに苦しくつらくてもその人生を生き抜くことの価値を丁寧に心を砕いて子どもたちに教えていかなければならないと思っています。
この本を読んで、ふと、そんなことを思いました。
これはいわゆる「反戦文学」ではありませんでした。
しかし、戦争を個人が生きることの意味として考えさせられる作品で、その一人ひとりが生きることをさえぎる戦争は、絶対に、どんな理由があろうともやってはいけないものだとあらためて思いました。
wrote by しおちゃんマン
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